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中国聯通の 2012 年戦略:「成長しながら改革を進める」

中国聯通北京支社は 2012 年 2 月、「人生とは、自転車に乗ることと同じである。バランスを保つためには、止まることなく前進し続けるしかない」と公式マイクロブログに掲載した。この言葉は、中国聯通が現在置かれている状況を表しているともいえる。

2012 年 1 月 8 日に開催された中国聯通の 2012 年作業会議において、同社の総経理である陸益民氏は、規模化発展と革新・変革の加速、サービス、ネットワークセキュリティ機能と実行管理機能の向上を強調した。その上で同氏は、2012 年の4つの目標として、「大発展、「大向上」、「大転換」、「大突破」を達成することを明らかにした。同社は今後、さらなる 3G 事業の推進と企業改革を進め、成長しながら同時に制度転換を加速させていくとしている。

好調な 3G 事業で収益を改善

中国聯通が大々的にこうした目標を掲げた利用としては、同社が長年の間抱えていた経営面での問題解決に見通しが立ってきたことがあげられる。

2011 年における中国聯通の営業収益は、前年比 22.7 % 増の 2166 億元に達すると予想される。そのうち、主要事業での売上高は 14.2 % 増の 1915 億元となり、業界のトップに立っている。このような 20 % 以上の成長率は通信業界全体でも稀である。同社の 2010 年の営業収益は前年比 11.3 % 増であった。一方、中国電信の 2010 年の営業収入は前年比 5 % 増、中国移動は同 7.3 % 増であった。なお、中国聯通の 2011 年第 3 四半期までの売上高は、2010 年の年間売上高を上回った。

華泰連合証券アナリストの姚宏光氏は、「中国聯通の 3G 事業は、2011 年半ばにはすでに損益分岐点を越えていたとみられ、2011 年は黒字に転じる見通しである」と分析している。

中国聯通の 3G 事業がいち早く損益分岐点を超えられる要因となったのが、千元スマートフォン市場での成功である。姚氏の推定では、中国聯通は iPhone 1 台につき 1200 元の補助金を支払っているが、千元スマートフォン 1 台に対しては 300 元しか支払っていない。すなわち、iPhone 1 台分の補助金は、千元スマートフォン 4 台分の補助金に相当する。しかも、4 台分の千元スマートフォンがもたらす月間電気通信事業収入(ARPU)は、1 台の iPhone がもたらす ARPU を遥かに上回っている。

また、中国聯通が 2012 年の端末戦略において価格帯 1000 ~ 2000 元のミドルエンドの 3G 携帯端末を重点的なターゲットにすることを考えると、2012 年は多くのミドルエンド層の消費者が中国聯通の 3G ネットワークに加入することが見込まれる。そのため、当面は中国聯通の 3G の ARPU は大幅に下落することはないと予想され、経営的にも安定した財務状況を確保できるものとみられる。

メインストリームのスマートフォンの全面的なカスタマイズとオープンなモバイルインターネット協力戦略は、中国聯通が 3G 事業で成功を収めた要因である。同社は、こうした戦略を 2012 年も継続して推進することで、3G 事業の売り上げ拡大を図っていくものとみられる。

優位性を活かせる期間はあと 3 ~ 5 年

中国聯通の 2012 年戦略をみると、3G 端末やモバイルインターネット事業は継続的な成長であるのに対して、2G や固定ネットワークなどの既存市場、企業の管理体制については革新的な改善が必要とされている。

中国聯通は 2012 年、3G、ブロードバンドおよび統合事業の規模化発展、また 2G 事業の安定的な発展を推し進めていく。特に、経営面においては、重点分野と重要な段階における大きな転換を積極的に推進していく。具体的には、専門のマーケティングシステムやサポートシステムの改革を推進し、ネットワーク会社の管理体制の改革を深化する。さらに、3 つの生産レベルからなる垂直管理と専門の運営システムを確立し、事業部式管理モードを導入して、モバイルインターネットの成長に適応する新製品の管理体制や運用メカニズムを模索していく。

中国聯通はこの一連の戦略を積極的に推し進めている。経営面においては、数十年間続けてきた分局制をとりやめ、末端の営業販売力の強化に乗り出している。また、これまで省レベルで行っていたネットワークについては情報システムの一元化を図っている。さらに、ネットワーク会社の独立運営を開始し、地方都市レベルの支社にはネットワーク自治権を与えている。

今から 3 年前、中国聯通の董事長を務めていた常小兵氏は、「世界有数のブロードバンド通信と情報サービスのプロバイダーになることが中国聯通の目標であると述べた。同社は現在、「情報生活における革新的なサービスのプロバイダーになる」ことを目標にしている。この目標を実現するためには、巨大な市場において高い収益力が得られるようにし、既存のユーザー、事業構造、管理システムといったことに対して自発的に改善していく必要がある。

業界関係者の予測によると、3G ネットワークの優位性により中国聯通には 3~ 5 年の「稼ぎ時」が残されている。そして、中国聯通はこの期間において、産業の規律を忠実に守り、サービスの向上を図り、同時に大々的な革新を進め、従業員に対しても創意工夫を促し、市場のさらなる発展に寄与したい考えだ。

(出典:中国通信産業報)