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中国電信が「iPhone 4S」を発売、CDMA 機種を強化して他社と差別化

中国電信は、他社との差別化を図るため、戦略を見直して端末機種ラインアップの強化を推し進めていくことを明らかにした。

3G 端末は 2011 年の高成長を経て、広くユーザーに認知されており、通信キャリアが業績を伸ばす原動力になっている。スマートフォン時代において、CDMA 端末の市場も大きく成長してきた。2011 年の中国における CDMA 携帯端末の販売台数は 6000 万台を超え、中国電信の携帯電話ユーザー数は 1 億 2900 万人ほどに達している。

2012 年 1 月に開催された中国電信産業チェーン年会において、中国電信董事長の王暁初氏は、「2012 年の CDMA 端末需要は 8000 万台規模になり、そのうちスマートフォンは 4500 万台規模にまで成長する」と予測した。中国電信にとって 2012 年は端末産業が急成長する 1 年になるとみられる。

CDMA 端末で市場規模を拡大

スマートフォン端末が流行っているなか、中国電信は 2011 年を「3G スマートフォンの年」と位置付け、着実に市場機会を掴んできた。同社はハイエンド市場を主要ターゲットと定めて、3G 携帯端末の拡大を推進すると同時に、ユーザーエクスペリエンス向上を重視し、ターゲット層に合わせたさまざまな製品を展開してきた。これにより、中国電信は大きなリターンを獲得した。

現在、中国電信が販売している CDMA 端末は、2010 年と比べて 40 %増の 1100 機種に達している。中でも、「天翼」という中国電信ブランドの 3G 端末は 500 機種に達している。2011 年、中国電信の 3G 新規ユーザー数は 2400 万人に達した。特に、多くの人気機種をラインアップしたローエンド市場が好調で、中国電信の 3G 事業の発展を支えている。例えば、中国電信が補助金制度を導入している華為 C8650 は、販売開始から 3 か月で同社のもっとも売れ筋の機種となり、月間の販売台数は 70 万台を超えている。

中国電信は 2011 年末、モバイルインターネット端末への投資を増やし、モトローラ XT928、酷派 9900などの 3G 携帯端末を相次いで発売した。これまでサムスンをメインとしてきた戦略を調整し、ミドル・ハイエンド市場での争奪戦に向けて条件を整備している。ただ、中国電信のスマートフォンのほとんどは同じ OS を採用しているため、同質化の問題にも直面している。

また、中国電信が若者ユーザーを獲得するために大学キャンパスなどで展開しているキャンペーン活動も期待していた効果が得られていない。通信キャリアはデータ通信を重視する戦略へ移行しており、月間電気通信事業収入(ARPU)は低くてもデータ通信量が多い大学生などの獲得を狙っている。また、ひとたび大学生をユーザーとして獲得できれば、卒業して社会人になってからも引き続き主要ユーザーとして取り込める。そのため、中国電信は今以上に積極的に大学市場を開拓していく必要がある。

千元スマートフォン戦略の転換期

2012 年年初までに、中国系スマートフォンはスマートフォン市場の 47 %を占めている。千元スマートフォンの推進により、端末市場にはこのような変化が起こるようになった。中国電信はこの調子を受け継ぎ、2011 年末に千元スマートフォンを再定義し、4.0 インチのディスプレイと動作周波数が 800 MHz 以上の CPU を搭載した製品を発売した。

博思諮詢公司総経理は、「2012 年は、ローエンドスマートフォンの発展チャンスが到来する。通信キャリアにとって、700 ~ 2000 元の市場は一番重要である」と述べている。千元スマートフォンの好調と3G事業の普及により、スマートフォンに対するユーザーの認識はますます高まっており、今後数年にわたって 2G から 3G への移行がピークを迎える。中国電信の千元スマートフォン戦略により、携帯端末メーカーは一定の利益を確保する同時に、携帯端末の価格をさらに引き下げる余裕も出てきている。また、千元スマートフォンの戦略は、ユーザーのデータ通信の利用方法に変化をもたらすため、キャリアにとってはデータ通信ビジネスの発展にもつながる。

中国における千元スマートフォン市場はまだ始まったばかりである。多くの携帯端末メーカーや販売業者が進出しているため、端末産業に対する中国電信のコントロール能力はますます高まるものとみられる。同時に、CDMA 端末産業に関わる企業は多くのチャンスに恵まれ、中国電信の先導の下、携帯端末メーカーはますます成長するものとみられる。

複数の OS でラインアップを強化

最近では、マイクロソフトのスマートフォン向け OS の Windows Phone も重要戦略のひとつになってきている。中国電信は、ノキアが初めて Windows Phone を採用した CDMA 規格のスマートフォン「Lumia 800」を 2012 年 3 月に発売する予定である。スマートフォンの差別化が難しくなっている状況において、中国電信は Windows Phone OS を採用した機種をラインアップすることで、他社との差別化を図っていく。

また、業界での注目を集めているアップルの iPhone 4S は、中国電信にとっても重要な端末戦略のひとつである。一方、中国移動は iPhone 4S に搭載する SIM カードを特注すると同時に、iPhone ユーザー向けに CMMB 放送プログラムを開発している。他の 2 つのキャリアとの市場競争において、iPhone 4S で中国電信の CDMA 携帯電話の市場シェアが拡大するわけではない。

また、中国移動はポストペイド SIM の「全球通」ユーザーに対して、より多くの得な政策を出している。そのほか、iPhone が中国で発売されてから、ユーザー市場に与えた影響も限定的であるため、iPhone 4S の影響力は過大に期待できない。それに、中国聯通は WCDMA 規格の iPhone 4S の中国での販売をすでに開始しているため、後発の中国電信が iPhone 4S で大きな市場を獲得することはそれほど期待できない。ただ、中国電信が iPhone 4S を販売することは、ユーザーや市場の安定的な成長には有益である。

2012 年の CDMA 端末市場は 8000 万台

中国電信は、CDMA に対応した端末製品の強化に力を注いでいるが、このことが産業チェーンの発展にも大きな影響を与えている。2011 年における CDMA 端末産業チェーンの関連企業は、2010 年と比べて 140 社ほど増加した。CDMA 端末の市場は、2012 年に 8000 万台規模にまで達すると見込まれる。端末市場における中国電信の成果は大きくなっており、華為、中興、酷派といった中国大手の携帯端末メーカーは CDMA 規格に対応した製品を展開している。

2012 年に入ってから、小米携帯、アップルの iPhone 4S、ノキアの Windows Phone 製品が相次いで中国で発売される。中国の CDMA 端末産業はすでに端末メーカーのビジネス舞台となっている。知名度が高まっている中国系企業にとっては、中国電信の端末戦略から多くのチャンスを獲得している。同時に、中国電信の戦略は、製品の進化とブランドの国際化を求めている中国企業の戦略と一致している。まさに、中国電信は中国企業が進むべき道をリードする先導役ともいえる。

現在、携帯電話向けプロセッサの分野において、Qualcomm が市場を独占している。しかし、Marvell や英偉達といった競争力あるチップメーカーも成長してきている。中でも、華為 T8600、レノボ A66T、中興 U880 などの機種には Marvell のチップが搭載されており、TD 市場においては Marvell がシェアを伸ばしている。中国市場での Marvell の発展は、今後の CDMA 市場にも大きな衝撃を与えると思われる。将来的に Qualcomm にとって強力なライバルになるとみられ、CDMA のプロセッサ市場はますます拡大していくことが予想される。

(出典:中国通信産業報)